「愛がなんだ」映画レビュー(ネタバレ)、、、「愛」って大人になること?諦めること?

映画

どうも、2020年明けましておめでとうございます。

去年の3月くらいに、ブログを初めてみて「バリバリ書くぞー」と意気込んだものの正直全然書けなかったなー、観ている人もそんなに増えなかったなー、と少しセンチになりながらもとりあえず今年はなんとか書く回数だけは増やして、書くことを習慣化できれば良いなと思っている。
書きたい気持ちはとてもあるんだけれども、なんだかやっぱりいざ書こうと思うとだるいわーってなってしまって、そもそも何で書くんだろうかとかそんなことまでぼんやり考え出してしまっている日々。
そもそもなんでブログなんて書こうかと思ったか、改めて考えてみるとそりゃやっぱり
自己表現欲求
というものなんだと思う。
自分はこんな人間で、こんな表現ができて、もし望みが叶うのなら、こうして自己表現することで生活していきたい(お金もらいたい)、一応そんな気持ちで初めてみた。
まぁ30歳になって新たに見つけた夢というかなんというかそんな感じだろう。

子供の頃の夢は「漫画家」だった。あまりにも強く望みすぎて周りにも吹聴していたため学校の先生も知っているくらいで、小学校の卒業式で全校生徒の前でそれを発表する機会をもらったものだった。
大学進学の頃になると漫画家なんて夢はどこに行ったことやら、いつの間にか夢は「デザイナー」なんて大人な夢に変わっていた。
そして美術の大学に行き、夢はもっと具体的に「建築家」になっていた。
一応建築士(二級だけど)の資格も取ったし、まぁ体裁的には夢は叶えられたのかもしれないけれど、不思議と心の中はカラカラに乾いていた。
建築家とは名ばかりで未だに大きな建築も住宅一棟だって設計したことはない。人の前に出て「自分デザイナー?っつーか建築家?的なもんやってましてぇ、こんなかっちぇーデザインでやってみたっすぅ」なんてかっこつけて言いながら人様に見せられるものなくて、次第に正直建築とか空間とかの事考えるの、自分、そんな好きじゃなくない?という気持ちになってきた。

じゃあ好きなものって何だろうって思って、とりあえず昔から映画をみるのは好きだったし、最近では本を読むのも好きだし、というかカルチャーとして括られるもの全部それなりに好きだし、少しずつそっちの方向に触手を伸ばし始めて、何かしらの新しい世界を見てみようと始めたのがこのブログ。

んで、今それすらもそんなちゃんと続けられていないわけだけど。
とにかくねー何かに夢中になれるのってとても素晴らしいし、本当に無敵だし、未だにそれを自分はまだ探してますって事が言いたくてこんなに前置きロングになっちゃいました。
書き始めるまではぐうたらしてんのに、書き始めるとわけのわからない事延々と書いてしまう。
うう、なんたることやら。

こんな長い前置きになってしまって申し訳ないんけれど、一応、いっちおーうこれから書くことにつながるのでこの先も飽きずに読んでください。今回も映画の話です。
2020年記念すべき1作目は去年の春頃なんだか巷で話題になっていた「愛がなんだ」です。
では概要をどうぞ

切なすぎる…岸井ゆきの×成田凌『愛がなんだ』予告編

「愛がなんだ」
公開:2019年4月19日
原作:角田光代
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織、今泉力哉
出演:岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、江口のりこ

あらすじ
28歳のOL山田テルコ(岸井ゆきの)は友人の結婚パーティーで知り合った田中守(成田凌)に想いを寄せている。しかし2人の関係は守の都合のいい時にだけ呼ばれ、食事やセックスが終わるとすぐにサヨナラというテルコの一方通行状態。テルコの親友である葉子(深川麻衣)からは「そんな男絶対にやめた方がいい」と言われるが
全く耳を貸さず盲目モードのテルコ。
ハタ目から見たら全く良い所のない守を想い続けるテルコの気持は、恋なのか、愛なのか、はたまた別の何かなのか、テルコ自身にも徐々に掴み所のないものへと変わっていく。
変わりゆく周囲と全く変わらない自分の狭間でテルコの心はフラフラと漂う。

共感み、わかりみのある恋愛ドラマ

この映画の一番のわかりやすい見所としては、非常に誰でも共感がモテる恋愛ドラマといった感じ。
いや本当にね、こんな話よく聞くなぁーってのが観ていて思った一番の感想。
自分は男だし、ましてやメシ食いたいときだけ来てくれて、ヤりたいときだけヤらせてくれる女の子なんて、そんな最高の子捕まえたことないので心底ウラヤマシイ、ナリタリョウニクシ、と思っていたんだけど、現にこの状況になってしまった女友達というのは何人かいたなーとぼんやりと女友達の顔が何人か浮かんだ。
そして、「私の友達がそんな男にはまっちゃって」なんて話ならいくらでも聞いた事があって、でもあんまりにも自分に縁がない話すぎて、なんだか遠い星では香ばしい事がたくさん起こってんだなーと地球から想いを馳せていた。
事実、公開当時にこの映画を観に行った人からは劇場から出る時にそれこそ大学生とか、テルコくらいの20代後半の女の子達が
「いやー、超わかりみあったわ。」「私の友達、まさに今この状況」なんて愚痴にも憎悪にもとれる言葉が飛び交っていた、なんて話を聞いた。

とにかくこの映画、公開時は女性客が多かったらしくきっとその半数が自分、もしくは友達がまさにテルコ状態にいた、という共感がこの映画の評判に繋がったのではと思う。
実際公開規模は小さいながらも口コミでかなり評判を呼び拡大、そしてロングランされたらしい。

じゃあ、男目線でみるとどういう印象なのか、、、
というと、まぁ前述の通り自分には関係の無い世界ではありながらも、そんな世界がこの世のどこかにあるのは確かに俺知ってますという感じで、自分のような男女関係が特に盛んではない人間にとっても結構共感み、わかりみの強い映画だった。

個人的には、プライベート、仕事で会う男性に対して、身なりだったり、話した感じだったりで
「あ、こいつ臭うな。こいつ守の臭いすんな、やってんなこいつ、この軽薄そうな感じこれ臭うな」
という感じで、どことなくチャラついているというか、イケてる感出してくる男性ってのは結構出会うもんで、まぁしかもそれがだいたい当たってたりもして、そこらへん含めてもやっぱり非常に共感みがあって、映画にグッと入り込みやすかった。

ちなみに原作では守の容姿ってのは全然成田凌じゃなくて、ブサイクで、背も小さい、本当に良い所を探しても見つからないみたいな設定らしい。
でも映画はね、やっぱり画力が大事だと思うのでこりゃ成田凌のキャスティングはバッチシね、バコーン!!とはまった部分なんではないかと思う。

「大人」になるか、「子供」のように夢を追い続けるか

「愛がなんだ」は基本的にはちょっと切な気味の恋愛ドラマだし、その部分ってのはすごい高いクオリティである映画だと思う。
でも個人的にはこの映画で強く刺さったわー!!グサっときたわーって思うのは別の部分。
それは

「大人」でいるか、「子供」のように夢を追い続けるか

って部分だと思う。

テルコの年齢は28歳。世間的に見たらそりゃもう誰もが「大人」認定してくる年齢で、女性であれば結婚なんて文字もかなりチラチラしてくる年齢。
にもかかわらずテルコは仕事もふいにしてまで、守を追い続ける。
普通の女性だったら「この年になって男が原因で仕事辞めて、私、終わってる。。。」
なんて思う人の方が多そうなもんだけれど、テルコは全く気にしていない。
28歳独身でいながら、銭湯でバイトをして、目標もなく1人発泡酒を飲んでいても、何の心配もないみたいにケロっとしている。
バイト先のバツイチ主婦の先輩の
「そんな男、時間がたったら忘れるよ。私なんて前の夫の顔すらも覚えてないんだから」
てな具合に人生の糧になりそうなアドバイスも全くピンときていない。
テルコの、この守に向かっていく強い力は何なのだろうか、守への恋心なのだろうか、それをも超えたなのんだろうか。

個人的にはそれは「夢」なんじゃないかと思う。

しかもそれはめちゃくちゃ純度が高い夢。
小さな男の子がサッカー選手を夢見るように、小さな女の子がお花屋さんを夢見るように。
サッカーが好きなことなんか、お花が好きなことなんかあんまり関係ないくらい、ただ自分がそれになりたい!!そんな自分になりたい!!と望む夢。
それがテルコにとっては守と結ばれることなんじゃないかと個人的には思った。
実際、たまーに子供時代のテルコが何回か出てくる、それはいつも守を、夢を諦めそうになった時とか、諦めることも悪くないみたいな大人びた考えをした時に出てくる。
諦めないでと、大人にならないでと、ちょっと不安げな子供テルコが大人テルコの中に同居する。

でも、そんなテルコを見る周りの目は冷たい。
親友の葉子にも「早く仕事探しな」と言われ、退職した会社の同僚からは「バカですね」と言われる、バイト先のバツイチ主婦先輩も自分の身を持った体験で諭す。
まるで皆「もっと大人になりなよ」「もっとしっかりしなよ」と言いたげにテルコと接する。

なんだかここらへんがねー、この映画のすごい心が痛い部分で、個人的にはすごく「嫌だなー、周りのこの分かりきったような感じ、、、」と思った部分。
だいいち親友の葉子の何でも仕事に結びつけるとことか、同僚の子の「30歳近い女が終わってますね」みたいな感じとか、バツイチ主婦のどんなドラマにも出てきそうなキャラ感で人生先輩感出してくる感じとか、なんかねー本当テンプレ通りで詰めてくる感じがすごい嫌だった。

やっぱり30歳とかくらいの年齢って周りが出世したり、結婚したり、子供が生まれたりして、価値観みたいなものも含めてどんどん「大人」になっていく。
そしてその「大人」になった人は「大人」になっていない人を「幼い」「若い」って感じるようになる。
ましてや男が原因で仕事やめちゃう女なんて見たら「大人になんなよ」「しっかりしなよ」とそりゃ言いたくなるはずだ。
そしてそんな「大人」はテルコや、テルコの親友葉子を想い続けるナカハラ(若葉竜也)の、叶わない恋とも、執着とも取れる行き場のない感情を「愛」と表現する。
自分には理解が及ばないから、綺麗な言葉でごまかすように包み込む。
「愛」はこの映画ではきっと「諦め」であり「大人」になる事だ。
だからテルコはナカハラが葉子を諦める時に「愛がなんだ!!」とブチギレる。
「大人ぶんなよ!!愛なんて知らねーよ!!諦めんなよ!!綺麗にまとめて終わらそうとしてんじゃねーよ!!」
そう言いたげなテルコの怒りは、それは確かに子供のようにも見えるし、惨めにも見える。
でもその反面、自分にはすごい純で、羨ましさすらも感じた。
ここのシーンは、最初見たときはなんだかなーと思ったけれど、最後まで見るとグーっとゆっくりと自分の中に刺さってきたシーン。
テルコがナカハラにキレたのはきっと「夢見る同盟」を裏切られたように感じからだろうなー。

でも、この映画のいいところは意外にもテルコがそこらへんの周囲の声に、うんともすんとも言う事なく、ケロっとした顔で軽やかに自分の気持ちを大事に進んでいくところ。
そしてテルコに対して説教的な事言った人たちも、やっぱりそれなりのイチモツ抱えて生きてるからこそ、実感があるからこそ言ってる訳で、そこらへんも細やかに描かれていて良かった。

きっとテルコ自身も彼女たちの言う事が全然響いてないわけじゃなくて、伝わってるんだけれど、でも、でもさぁ!!しょうがないじゃん…!!愛とか、そんな言葉で終わらせらんねーよ!!っていうすごいアンビバレントな気持ちで漂っていたんじゃないかと思う。
ここらへんは「大人感だしてくるやつらへのアンチテーゼ」と「まぁ、確かにそちらの言う事も一理ありますわぁ」みたいな、反抗的だけどしっかり受け止めます、って感じが出ていて、健全な映画で良いなぁと思った。

いつまで夢見てんだ!!の、「いつ」っていつまでなら良いの?

自分は今31歳で、もうまごうことなき大人だし、自覚もしている。
でも、でも。なんだか「大人」というものに急に冷めてしまう部分もある。
というより周りの人間の「大人」ぶった態度に冷める時がある。
定型文のような言い方だけれど「大人」ってやっぱり色々諦めるし、色々な可能性を見ようとしない、周りを固めて守りに入るし、最終的にそれら全てを綺麗事な言葉で美化しようとする。
「諦めることも大事」「一つの道を極めろ」そんな感じでいろんな美徳を作り上げて、したり顔でどんな事でも知ったような事を言う。
自分は実は今年の二月で仕事を辞める。しかも次の職は決まっていない。
できればこうして文章を書く事でなんとか生きて行きたいけれど、周囲の人にはあんまり言えていない。
心配をかけるのも、されるの嫌だし、この歳で物書き目指すのとか終わってる…と思われるのも怖い。
夢を見て生きろと色んな人に言われて育ち、いつまで夢みてんだと叱られたり、呆れられたりする。
自分はもう若くもないので、夢というか目標に近いけど、じゃあいつまでなら夢を見ていいんだろう?20歳まで?30歳まで?35歳はギリOK?
もちろん答えなんてないし、何歳まで!!って断言されちゃったら困っちゃうけれど、飽きなかったら一生やっててもいいんじゃないかなというのが今の気持ち。

でも、やっぱり、やーっぱりこんな自分ですらそんな綺麗事は言ってられなくて、新宿で路上ライブやってるちょっと歳いった人とか見ると「終わってるな」って正直思うし
居酒屋で夢語り的な事してる時は結構「あ、恥ずいかも。これ恥ずいかも」と思ってしまう。
30歳超えて未だに就職したことの無い友達もいて(しかも政治とか思想をすごい論ずる)、彼を見てるとやっぱり「う〜ん、終わってるなぁ」と思う。
でも!!それでも、それでもやっぱり!!(やっぱりばっかですみません。)
そんな「終わってるな」の中に、ほんの少しの清らかさというか、純度の高い何かがある気がしている。そういう部分に少しだけ自分は、羨ましさというか嫉妬に近いものを感じたりもする。
夢とか目標に向かって一直線な部分というのかなぁ、そこはすごいと思うし、安定を求めないのってやっぱり勇気あると思う。
結局はね、どっちが良いかなんてないですもんね。なんにしろひたむきにやるに越したことはないですね。ん〜シンプル!!

そしてね、ラストでね、あのテルコちゃんの姿、、、
あなたは「終わってる…」と思うかどうか、すごーい絶妙な終わり方ですんで、ここは是非映画をみてもらいたいところです。

はいー、そんな感じでね、終わりです。
んん〜こないだの「マリッジ・ストーリー」に続き、「愛がなんだ」もすごいアンビバレントな映画だった。
最近こんな感じのぐわんぐわん揺らしてくる映画にグッと来てしまう。

そんなこんなで「愛がなんだ」とりあえず良作なので是非!!
あとね、キャスト陣もあんまり知らない人を知れたし、そのどれもが結構普通に良くてそこもこの映画好きな部分。
岸井ゆきのさんのね、絶妙な顔立ちね。可愛いと思うけどあんま人に言いづらいみたいな、そこもまたアンビバレント感強めてきました。

「愛がなんだ」好きな人にオススメ!!

最後に「愛がなんだ」好きだよ〜って人にオススメ作品紹介です。

◼️「フランシス・ハ」

映画『フランシス・ハ』予告編

いや、こないだもこれススメてんじゃん持ちネタ少なすぎじゃん、て感じだけど今回書いた「夢いつまで見て良いの?」問題みたいなものに、この映画は割とちゃんとズバッと一つの答えを出している気がして、個人的には見るたびにビシっとしよ!!と思える映画。

あまりにも恋愛系の持ちネタ少なすぎるの今日は一本だけ!!
はぁぁーい!!!オシマイ!!

ではまた

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