「晩春」映画レビュー ゆっくりと、のんびりと、少しだけ進む物語の中に

映画

仕事を辞めただけあって、映画を読んだり、本を読んだりする機会が格段に増えた。
ついでにある目標もできたので、最近は映画を観た後にその映画を分析するといったこともし始めた。どこが面白いのか、なぜ面白いのか、みたいな。
なので一日に映画に費やす時間は本編2時間前後+1.5時間前後の計4時間くらい。
そして、今年中にしたいと思っていた留学のための勉強として英語を一日2時間くらい勉強している。まぁ集中力がないので実質勉強している時間は普通の人の1時間程度かもしれないけれど…
なのでだいたい6〜7時間ほどは決まった事に時間を使っているという感じ。
とりあえずは仕事を辞めてもなんとかダラダラしすぎないように自分を律するようにしている。
とはいっても元から強い強制の下でないと動けない人間だったので無駄な時間がかなり多いし、上記のルーティーンもなかなかの頻度でこなせないことも多い。

ん〜自由というのもなかなか難しいもんですなぁ。
それでも、社会人として過ごしてきた8年あまりの時間はそれほど無駄じゃなかったとも思える。
なぜならいつも自分がどのくらい働いていたかと、今の自分の生活の、自分のためになっている時間を比べることができるからだ。
お金が生み出せなくても、せめて社会人として働いていた時間と同じくらいの時間を自分を磨く、将来の自分への時間として投資したい。

したい…したい…
と、まぁ今は願望だけだけれど少しづつ多くしていきたい。
そんな事より、コロナウイルス大変なことになっていますね。留学なんてできるのだろうか。
これを読んでくれている方のご健康をお祈りしています。

はい、決意表明はこれまでにして冒頭の映画の話。
最近は一日一本くらいのペースで観ているので、分析ついでにブログにも今後何か書いていこう。
長々と書くと続ける気力が持たなくなるのでサクッとでもいいので書いていきたいと思う。
(定期的に言ってますねこれ。)

ってわけで今日は小津安二郎の「晩春」!!

小津ね、小津ですよ小津。小津安二郎です。
黒澤明と並ぶ日本映画界の巨匠ですね。
黒澤はなんとなく顔見たことあるかもしれないけれど、小津は意外に見たことなくないですか?
こんな顔みたいです

はい。そんな小津作品なんですが、個人的に観たことがあったのは「東京物語」くらい。
「東京物語」は数年前に見たのだけれど正直何が面白いのか全く理解できず。
先日ひょんな縁で映画プロデューサーと名乗る人と話す機会がありその旨を話したら
「ああ、それは経験が足りないからだね、人生の」
といった感じに倒置法でマウントを取られたので余計に苦手意識を持っていた小津安二郎作品。

しかも皮肉なことにこの「晩春」は自分がまだしたことのない「結婚」がテーマのお話。
人生経験が足りないというマウントに加えて、映画からも結婚というの人生の経験マウントですか、ハイハイ。という感じで見始めた。

小津安二郎の映画ってあくまで個人的な意見だけれど正直すごい「退屈」
大きな事件も起こらないし、これといって奇怪な人物が出るわけでもない。
のんびりとしてて、最初と最後でも、登場人物の状況はあまり大きく変わらない。
表面的な事を言えば風景が綺麗。時のうつろいを感じる。
なーんて事が言えないでもないけれど、そんなこと言ったところで、ねぇ。

そんでこの「晩春」も一言でまとめてしまえば
「結婚する気がなかった娘が、父と色々話して、結婚する」
とまぁ、そんななんともない人生の数ページを描いた話なのだ。

でも、認めたくないけれど、実はこの「晩春」にはそれなりに感じる部分があった。
この映画の「娘」は何歳かは語られていないけれど、どこに行ってもいつ嫁に行くのかという話ばかり。終いには嫁に行けなくて「気の毒」とまで言われる始末。
自分も現在31歳になり、周りは過半数既婚者。
彼ら、彼女らと話すと
「早く結婚しなよ」「結婚て悪くないよ」「相手見つけなよ」
と、なんだかしたり顔で言ってくれる。
特に他意のないそんな言葉に、時にイラっとしたり、時に心配されてるんだなって思ったり、時に偉そうに何をって思ったりする。
要は、サクッと書いてみるなんて言った日には書き切れないような、複雑な想いが心の中で渦巻く。
そのくらい結婚というものに、自分はある種のコンプレックスだったり、ナーバスな感情を抱いている。

加えて親もやっぱり心配する。
孫の顔も見たいだろうし、単純に心配だろうし、家族を持つ良さを感じてもらいたいのではないだろうか。
「晩春」での娘の父は、結婚しない娘を心配しながらも、実はそばにいてくれる事を嬉しく思っている。
きっと自分の親も、自分に対する心配と、まだ一人前にならない息子への、離れて行かない安心感という感情が少しはあるのかもしれない。
そして何より、自分の価値観を押し付けてはいけないというアンビバレントな思いもあるだろう。
そんな心配と、自分の生きたいように生きなさいという思い。
それらは比率にすると49:51くらいの超熱戦な比率で、きっと自分の両親も葛藤の中にあるのだと思う。
父さん、母さん、元気でいてください…

そんなこんなで「晩秋」を観ていると、「娘」の生き辛さと「父」のアンビバレントな気持ちがじんわ〜り自分の胸にも染み渡り
「小津、ちょっとすごいじゃん」
と思ってしまった。

「晩春」は二時間弱使って
「結婚する気がなかった娘が、父と色々話して、結婚する」」
たったそれだけの事をきわめてのんびり描いている。
でも実は、そのわずかな過程の中に、人間の敏感な心の動きや、父と娘の心がが鼓動し合う様子を描き切っている。

ん〜、確かに人生経験が少ないと分からない部分もある…のかもしれない。

はい。今日はそんな感じです。

ちなみにその「映画プロデューサー」と名乗る人物は名前を検索しても全く出てこないので、実際は単なる「自称映画プロデューサー」なのは間違いない。
むしろ名前を検索して引っかかるのは某有名ネットワークビジネス、ア○ウェイの掲示板で叩かれている記事だけ。
たしかに彼はア○ウェイだったのかもしれない。かなりいかがわしかった。
ネットワーク、なんていかがわしい横文字ではなく小津の映画のような、まっとうな「人と人」の付き合いの中で生きていきたいものですね。

Amazonで¥407で視聴可能!!
※レンタル期間は30 日間で、一度視聴を開始すると48 時間でレンタル期間が終了します。

では!!


コメント

  1. ヘイヨー より:

    仕事辞めたのに、いろいろと勉強していて偉いですね。
    充実した生活を過ごしているようでなによりです。
    まあ、1日に7~8時間もやれば充分じゃないですか?慣れてきたら、もっと増やせるかもしれませんが…

    小津安二郎監督の作品って、見てるといっつも眠くなるんですよね~
    でも、「東京物語」あたりは、そこそこおもしろく見てました。

    …と思ったら、やっぱりまんじゅうさんも「退屈」って書いてますねw
    ヘイヨーさんと同じですね。

    この文章を読んで「晩春」も見てみようかな?という気になりました。
    あと、オチに笑いましたwア〇ウェイの販売員ってw