「ゴースト ニューヨークの幻」映画レビュー 映画だからこそ生み出せる「魔法」

映画

映画を見ていると時折、と「魔法」にかけられてしまう時ってないだろうか

思わず
うぉっっっ!!
って唸ってしまうような瞬間。
はいそれ「魔法」かかってます〜

そういう時って本当にドキッとしたり、急に涙が溢れたり、時間が止まったような感覚に陥る。
年を重ねたからなのか最近は涙もろくなったし、全然普通のシーンなのになぜだかすごく感動したりしてしまう。
まぁもしかしたら人生の経験を少しは積めている証拠なのかもしれない。
いやそう思うことにしよう。きっとそうなのだ。

そんなわけで今日は自分がまんまと「魔法」にかけられてしまった映画
「ゴースト ニューヨークの幻」についてツラツラと書いてみよう。

仮に見たことがなくてもこの映画の名前を聞いたことがあるひとは多いと思う。
ついでになんとなく内容も知っている人も多いはず。
「ゴースト ニューヨークの幻」は文字通りひょんなことから死んでしまった男が恋人のためにあれやこれやと頑張って、最終的にはあれやこれやとなる話。

よくあるテレビ番組の「ラブロマンス映画BEST10」とかの特集だったらだいたいは8~6位にランクインする名作だ。
こんなことを言うとどうしてもそんなテレビ番組(最近そんな特集やっているテレビってあるんだろうか)の映像が眼に浮かぶ。

「ラブロマンス映画BEST10 第7位は〜(ダン!!) 「ゴースト ニューヨークの恋人!!」」
(ナレーションと共に名場面であるゴーストになった主人公と恋人の決して触れることのないキスシーンがインサート。BGMはもちろんRighteous Brothersの「Unchained Melody」)

そんな映像。

まあこの映画、日本だと映画そのものよりもこの曲の方が馴染みがあるかもしれない。

「アンチェインド・メロディ、 Unchained Melody」ライチャス・ブラザーズ 、The Righteous Brothers

自分はこの映画、正直ただ主人公がゴーストなだけで大して中身もない映画なんでしょ、と観る前から決めつけてこの31年間ずっと観ないまんまにしてきていた。

んがぁぁ!!しかし、いざ観てみるとこの映画、意外や意外めちゃくちゃ良い。
まずこの映画、めちゃくちゃベタベタなラブロマンスかと思っていたんだけれど実際はラブロマンスの皮を被った刑事もの、サスペンス的な作りとなっているのだ。
だから物語の中の謎や、犯人的な人物を追い詰めていくタクティカルな要素があって、早く展開!早く次の展開!といつのまにか目を話せない状態にさせられてしまう。

おまけにコメディタッチで描く部分もあり、その部分もウーピー・ゴールドバーグという黒人女性の抜群のコメディ演技のおかげでなかなかに笑える。

そう、この映画、実は単なるラブロマンスかと思わせておいて、実はラブロマンスすぎない、サスペンス的な暗い部分もありながら、カラッと笑えるコメディでもある。
そんな具合にエンタメの上下左右を巧みに行ったり来たりする映画なのだ

もちろんたくさんのジャンルを内包しているからといっても軸はしっかりラブロマンスからブレることなくビシッと通っている。
ゴーストになってもなんとか彼女を守りたいという強い執念が、この映画のサスペンス要素としてゾッとさせる怖さを与え、最後にはスカッと抜けるような爽快感を与える。
時には誰かを頼ることで、思ってもみなかった笑いや可笑しみが生まれる。
そしてそれらは全て、死んでしまっても消えない主人公の、恋人を想う愛がベースとなって生まれるドラマなのだ。

こうして基本は主人公の叶うことのない愛を起点に色んなテイストに分岐していくので、テイストの違いがあっても一本の映画として抜群にまとまった出来になっているのだ。

そして最後には冒頭で書いた通り観客全員に「魔法」を掛けて、ラブロマンス王道をど真ん中で駆け抜けていく。
なんと言ってもこのクライマックスシーンが、「魔法が」が、本当に、ほんっとーうに素晴らしい。
野暮ながらあえて書いてみると

周囲の雑音も消えた静寂の中で
絶対に触れ合うことができない二人が触れ合う。
絶対に見つめ合うことのできない二人が見つめ合う。
絶対に心を通わせることができない二人の心が通じ合う。
そして静寂の中、触れられるはずのない手と手が触れた瞬間、聞き馴染みのあるあの曲が流れる。

まぁざっくりとだけれどこんなシーンなわけだ。

このシーンを描くのに、最も適しているのは映画の他に無いだろう。
ゆっくりと流れるカメラワーク、誘導されるがままに動く観客の視線、触れられるはずのない手と手が触れ合う瞬間、そして絶妙なタイミングで始まる音楽。
これら全てが完璧なタイミングで組み合わさることで初めて観客「魔法」がかかる。
文章でも、絵でも、はたまた演劇でもできない、一直線に進み観客の視覚を強制的にジャックできる映画だからこそ成し得る「魔法」なのだ。
「魔法」は瞬時に観客の心を鷲掴みにし、そして離さない。

この映画が長い時を経ても朽ちない名作とされている所以は、やっぱりこの「魔法」に多くの人が心を鷲掴みにされたからだろう。
きっと名作には「魔法」が潜んでいるのだ。

はい。
そんな感じでね、「ゴースト ニューヨークの幻」最高でした。

いやー舐めてたなぁ「ゴースト ニューヨークの幻」
勝手な偏見というものは本当に損するもんで、やっぱりオープンになって色んな映画を観ていきたい。
きっとまだまだ「魔法」を秘めた映画がたくさん世の中にはあるだろう。

みなさんも是非、映画だからこそ成し得る「魔法」を探してみてください!!

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※レンタル期間は30 日間で、一度視聴を開始すると48 時間でレンタル期間が終了します。

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では!!

コメント

  1. ヘイヨー より:

    へ~「ゴースト」って、そういう映画だったんですね。
    テレビで放送してるのを適当に流して見たことしかなかったので知りませんでした。
    完全に「幽霊が出てくるだけの普通の恋愛映画」だと思ってました。

    >「ラブロマンス映画BEST10」とかの特集だったらだいたいは8~6位にランクインする名作
    ここ笑いましたw
    この微妙な位置づけがいいですね~

    それにしても、1本の映画に対して、よくこんなに書けますね。
    ヘイヨーさんだったら途中で書くの飽きちゃって、3分の1くらいの長さのとこで切り上げてると思います。