平成最後の顔芸合戦「七つの会議という珍獣オールスター映画

映画

どうも、初ブロギングから数日あけまして、今週は三連休ということもあり好きな映画鑑賞を思う存分しようと思い昨日から家に閉じこもっています。


さて、本日は家から飛び出して最近の週末の日課になっている映画館での映画鑑賞に向かいました。
最近この習慣を身につけだしたのは去年の終わりくらいに「2001年宇宙の旅」のIMAX上映を観に行きまして、当たり前の事ではあるんですが映画館で映画を見ることの楽しさ、大事さを痛感したからであります。正直退屈としか思えなかったあの「2001年宇宙の旅」があそこまで新鮮に感じられたのは一重に映画館の持つ力あってこそでした。
大画面の映像、音響、そして全く知らない人々で作り出すグルーブ。
同じ映画でもそこに集まる人によってまた一つ、映画が違ったことになることもありえるのだと思います。

特にこの話はこの後の話には繋がらないので予断は置いておきまして、本日はヒットメーカー池井戸潤原作の映画「七つの会議」を観てまいりました。

「七つの会議」予告

予告を貼っておきます。
ちなみに最近新しくない映画を観るときはyoutubeでその映画の予告編を観てから観ることにしています。そうすることで少しでもその映画が公開された時の気分にに近づいて観ることができます。

さてさて。個人的にはこの作品、とても気になっていました。
なぜなら自分はTBS系のドラマ「半沢直樹」そして「下町ロケット」の大ファンで、どちらも今作同様に池井戸潤の原作、ちなみにどちらも原作もしっかりと読んでいます。
そして今作のこの予告映像。もう煽り方が半端なく、上記の二作のファンなら絶対に見たくなることは間違い無いと思います。

さて、ざっくりと今作の情報を。

◾️「七つの会議」
原作:池井戸潤
監督:福澤克雄
脚本:丑尾健太郎、李正美
出演:野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、藤森慎吾、朝倉あき、
岡田浩暉、木下ほうか、土屋太鳳、小泉孝太郎、溝端淳平、春風亭昇太、立川談春、
勝村政信、世良公則、鹿賀丈史、橋爪功、北大路欣也

とまぁ異常なほど豪華であり、池井戸作品の常連もかなりキャスティングされています。今作の主人公は野村萬斎演じるぐうたら中年社員の「居眠り八角(はっかく)」
(ちなみに本名は“はっかく”ではなく“やすみ”と読むんですが、“休み”とかけてるとこが面白い。恣意的かわかりませんが、、、)
そしてこの八角を中心に一癖も二癖もあるキャラクター達が互いの出世や保身をかけて火花を散らしあう群像劇、というのがこの映画の大きな見所です。

いやーこの映画、もうもちろん池井戸潤原作なので言わずもがなストーリーはすごくわかりやすくて面白いんです。ミステリータッチなので続きも気になり、どんどんと映画に引き込まれて行きます。TBSの日曜9時ドラマ枠を一気に見れちゃう、そんな贅沢感すら感じます。
でも何が一番面白いかっていうと、やはりこの一癖、二癖、いや千癖くらいあるキャラクター達を演じる曲者役者陣、ですよね。
先ほど異常なほど豪華と書きましたがもう言い換えてもいいかもしれません、異常なほどの曲者達の集いです。 もはやこの映画は曲者役者が大集結した曲者オールスター映画、曲者アベンジャーズ、曲者ジャスティスリーグ、曲者珍獣大サーカスです。とにかくもう全編癖の塊で出来ています。

もちろんそんな曲者珍獣達を放し飼いにするともうえらいことになりますし、普通に演技させてもそれはそれでなんだかいい映画程度で終わってしまうので、やはり猛獣使い改め、珍獣使いが必要になります。そこでやはり珍獣を扱わせたら世界一、福澤克雄監督が抜群の珍獣ハンドリングで最高に上がる演出を手がけています。
ちなみにこの福澤克雄監督、あの福沢諭吉の末裔だそうです。福沢諭吉が説いた民主主義のの思想が思わぬ形で花開きました。
あんな曲者珍獣達をあんな大きなスクリーンでしかも顔どアップで見せる事ができる、本当にいい時代になったものです。

まず曲者俳優といえばこの人、香川照之さんですよね

曲者俳優の急先鋒、香川照之

半沢直樹では言わずもがなの大活躍、今作でも抜群の存在感を放っています。
特にど頭の会議シーン、予告編でも象徴的にでてくる

「売って、売って、売って、売り倒せぇぇ!!」

が出た時点でもうこの映画最高、もう今日最高、ありがとう
そんな気持ちになりました。
そしてもちろん随所に出してくる顔芸、もう普通の顔どんなんだっけてくらいの顔芸。
あと独特の間とか、この人がこの映画の空気感を作っていると言っても過言ではありません。
そして「返事ィィ!!」「座るナァァ!!」と子気味良く罵倒するシーンとかすごいリズム感良くて、福沢監督の演出、香川照之の演技すごいなと思いました。

あと冒頭会議シーンは個人的にはキューブリックの「フルメタルジャケット」の訓練シーンを思い出しました。

フルメタルジャケットのなぜかアドレナリンが出る訓練シーン。訓練シーンだけでも是非

きついんだけど、辛いんだけど、罵倒されてるんだけど、なぜか湧き出てくるアドレナリン。あれは言葉のチョイスとかリズム感があってこそできる芸当、名人芸ですよね。

そして今回の主役、野村萬斎も曲者感満載。

今作の主役のぐうたら中年社員「居眠り八角」を演じる野村萬斎

この人は正直いうとあんまり現代劇向きな感じのしない演技で最初の方は、うわ、ちょっとハズレじゃない?下手じゃない?と思ったんですが、終わってみればこの人もまぁ見事な顔芸の持ち主。顔の筋肉ってそんな動き方するっけ?てくらいしっかりと香川照之とがっつり張れるくらいの顔芸を持っています。
浮世離れした役柄とも上手くあっていましたね。なんかまるで存在しないんじゃないかというくらいの神出鬼没な感じとか、この人だからこそ出来たんじゃないかと本当に思います。
あの笑い声なんかもこの映画の独特の持つコメディとミステリのバランスを上手く作っていて、やっぱり特異な存在だし、主役で良かったなと思いました。

あとは下町ロケットでも異常なほどのアジと癖をまといキラ星の如く現れた、顔の作り自体が曲者と言っても過言ではない岡田浩暉

顔自体が曲者の岡田浩暉

正直今回はそこまで活躍はないんですが、冒頭の会議に香川照之演じる北川部長が廊下を足早に歩き、それを他の社員が道を開け、頭を下げる中

ジロリ!!

と睨みを効かせるあの顔、あの顔ぉぉ!!どこで習ったその顔ぉぉ!!といいたくなるあの顔芸、ほんの一秒くらいですけどもうこいつこの先なんかやらかす感がムンムンに漂ってきて、ある種の色気すら感じましたね。
もう、THE 曲者といった感じで最高でした。
通常時は意外にも爽やかなんですね。(すごい画質良い画像がありました。)

七つの会議をしていない時の岡田浩暉

そして個人的に印象的だったのは、オリエンタルラジオ藤森慎吾

なかなか曲者が似合う藤森慎吾

非俳優をキャスティングするのが特徴の福澤克雄監督。これがどの作品でも意外にバチっとハマって良い味だすことが多いんですが、今回のオリラジの藤森もかなり良い味出しています。なんというか意外にスクリーンに映った時に映えるというか、良い感じにずる賢そうだし、良い感じに小物そうな感じが絶妙。
彼自身の演技ももちろんすごく良いんですが、彼の芸人としての、人間としてのパプリックイメージを上手く使ったキャスティングが絶妙でしたね。すごく作品にスパイスを与えている感じがしました。

あとは下町ロケットでも好演していたアキちゃんこと朝倉あきが紅一点の大きな役をもらっていて個人的に嬉しかったです

下町ロケットのアキちゃんこと朝倉あき

さすがに顔芸までは披露しませんでしたが、彼女の声はすごく特徴的で、全体の語り部のような役割がとても合っていました。下町ロケットの時も頑張り屋さん的な役だったので次は全く違う役でキャスティングされると面白いかもですね。
土屋太鳳とキャスティング逆じゃないかとも思いましたが、何か大人な事情でもあったんでしょうか。

とまぁこれ一人一人上げていくとキリがないんですがとにかく役者陣みなさん本当にもう素晴らしかったです。
ラブリンこと片岡愛之助も歌舞伎の人だけあって目の力すごかったし、あんだけ寄りで撮る事で威力も数倍になります。
鹿賀丈史の嫌だし怖い上司感とか、嫌な奴通り越してかっこよさすら感じます。
ミッチーも珍しくなよなよな感じだけど意外や意外にバチっとはまってました。

あとは役者同士の顔の近さ、もうすごい近い、とにかく近い。キスする時の近さです。
あの近さはすごい。カメラというフィルター通してですらあの大迫力ですから、演じた方達はもう失神寸前だったんではないかと思います。過剰な顔の近さ、これもこの映画の大きな魅力です。

とにかく一人一人がしっかりと暴れてくれる、これぞ群像劇といった具合で誰一人脇役のいない一人一人主役のような構成が見事でした。
もうこの映画誰が主人公になっても面白く撮れてしまうと思えるほどに個々を魅力的に撮り上げた監督、そして演じきった役者陣、本当に素晴らしい。
個人的には福澤克雄監督が本当にうまいなと思うところは、演じる俳優本来の役どころじゃないところにポンと放り込んで、いわゆるミスマッチを巧みに計算し、それがその俳優のパブリックイメージとも相まって絶妙にマッチしてしまうところです。

昔、宮部みゆき原作の「模倣犯」(監督は森田芳光)が映画化され、とてつもなく頭の切れる犯人を元SMAPの中居くんが演じたんですが、個人的にはすごい意外なキャスティングでとても印象に残っていました(中身はちょっと残念だったけど個人的には中居くんはすごく良かった)。まさしくそんな意外性を福澤監督は上手く使っていると思います。

今回では主役の浮世離れした滑稽なキャラクターに、伝統芸能方面の、ある種お堅いイメージのある野村萬斎を持ってきたところ、ヒール役におちゃらけなオリラジの藤森慎吾を持ってきたところなんかは本当にもう予告編からずっとわくわくしていました。

そもそも原作の八角はこんなキャラではないらしいところを見るとこの曲者感ていうのはかなりの企みなんだなと思います。そして予告編が持つ曲者大サーカスの異常なテンションのまんまちゃんと最後まで走ってくれました。
もうこれは感謝です、感謝のレベルで満足させてもらいました。

キャッチーにいくために曲者なんて失礼な表現をしていましたが、つまり役者陣みなさんアジのある演技なんですよね、そんないろんなアジが複雑に混ざり合ってコクになっている。すごいコクです、強すぎるほどに。でも、クセになってしまう。そんな映画でした。
予告編での

んどっちの罪が、ぁ重いんだろうなぁぁぁぁ!!!!

がいつくるのか楽しみにしながら見るのもまた一興かと思います。

実はNHKにて先行してドラマ化されていたみたいで、そっちのほうも比較としてとても気になるので、近いうちに是非見てみたいなと思います。

では!

コメント

  1. […] I HATE MANJU 平成最後の顔芸合戦「七つの会議という珍獣オールスター映画 […]