「レインマン」自分の中の最初の記憶

エッセイ

「レインマン」を観た。

アカデミー作品賞をとるくらいとても有名な作品なのだけれど初めて観た。
1988年公開、自分の生まれた年だ。
なんだか運命的!!めっちゃビビッとくるかも!!
なーんて期待をして観たけれど、意外と心が動かされなかった。

アカデミー受賞作というくらいだからかなり分かりやすく泣かせにくるシーンとかあるんだろうなと思っていたんだけど、割と全体のトーンが統一されて最初から最後まで静かで穏やかな時間が流れる映画だった。

自分は結構「泣かせスイッチここです」ってくらい分かりやすいベタなのが好きだったりするので、単純に好みと違った部分もあるかも知れない。
でも、お話としてはとても面白い映画だ。
「はい泣きますよぉ、泣かされたいですよぉ」な気持ちで観てしまったからちょっと構えすぎな部分があったかもしれない。

でもさすがのダスティン・ホフマンの演技とブレイクして間もないトム(・クルーズ)のフレッシュ且つ、おそらくキャリア初であろうちょいワルな演技がなんとも素晴らしかった(ハスラー2でもなかなかちょいワル、てか悪ガキやってましたが)

話の流れとしてはトム演じる高級車ディーラーの若社長が、存在も知らなかったダスティン・ホフマン演じる自閉症の兄と最初はばちばちしながらも次第に親交を深めて進んでいく。
んで、トムは2歳くらいの時から嫌なことがあるといつも想像の中で”レインマン”という想像上の友達と歌を歌って嫌なことを乗り切ってきてたんだけど、しかしその”レインマン”というのはトムの想像の中の人物ではなく実は…
なーんてお話。

トムはよく2歳の頃の記憶なんてあるなー、すごいわーと思って観てて、ふと自分の人生の一番最初の記憶ってなんだろうかと思い振り返ってみた。

そうするとあーらびっくり、あら奇遇。
自分の中での最初の記憶は”雨”が降っていた日なのだ。
どうやら車に乗っている。
車の中の幼き自分は車の窓越しにある大きな建物を見ている。
その建物は幼稚園だ。
多分幼稚園の入園面談?試験?見学?みたいなものの帰りだったんだと思う。

「あぁ、ぼくはあそこに通わないといけないんだ、嫌だなぁ」

その日の記憶自体はぼんやりしているが、水滴がしたたる車の窓ガラス越に見る幼稚園に、自分はとても嫌な印象を抱いていたのだけはとても鮮明に覚えている。
とても憂鬱で、もしかしたら泣いて母にすがりついていたかもしれない。
これがおそらく自分の中での一番最初の記憶だ。

ちなみにその次の記憶は一気に飛んで入園した後だ。
多分幼稚園の園庭だったと思う。
自分は友達三人くらいと輪を作りひそひそ話をしている。
彼らは先生の目を欺き死角を作り、何故だか全員ズボンを下ろしている。
彼らはなんとお互いの小さな小さな息子を見せ合っているのだ。
なんと馬鹿な子供達だ。
雨降る日、車の中から憂鬱な気持ちで幼稚園という魔城を眺めていた幼き自分はどこへいったのか、今や世の中で最も下等な遊びに興じている。
ああ…自分は昔っから馬鹿だったんだ…やだやだ

でも昔も今も、何事も始める前は憂鬱で文句ばっかり垂れておきながら、始めてみると存外他の誰よりも楽しんだりする部分は変わっていない。
なんでもやり始めると意外にはしゃいじゃったりする。
何事も御託並べず、とりあえず始めてみればいいのですね。

一本の映画から自分の中のとても古い自分と向き合うきっかけをいただきました。

いんやぁぁ映画ってほんっとーーに、良いものですね

では!!

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