退職前夜に

エッセイ

実は、二月いっぱいで今いる会社を退職する。

二月の頭から有休消化でもう何週間も会社には行っていないんだが、明日は社内でお世話になった方々に実家のお菓子(実家がお菓子工場)を配り

「お世話になりやっした〜」みたいな挨拶回りをしようと思っていたのだが、どうやらコロナウイルスの影響で会社側からは全力の在宅勤務が奨励されているらしい。しかも明日から。

ちなみに明日自分の壮大な送別会が企画されていたのだが、これも会社からの厳令で年度末解散会みたいな人が集まる会は

ダメ!!

と厳しく厳戒令が敷かれたので自分の壮大な送別会もおじゃんになっている。

いや〜こいつぁ参った。
んまぁ〜参った。

特にこれといって目立つ人間ではなかったが、一人一人に感謝の気持ちもあったし、そんな自分のために約40人近くの人が集まってくれるということで、もう先週くらいからいつもより水分を摂って涙が出やすい体質にしていたり、別れの一言なんかもちょっと考えていたりした。

まあでもね、あいつの送別会行ったらまじ咳やべぇみたいな人が出てきても困るし、涙ためにためたなっと思われるのも嫌だし、しっかり考えた一言も自分は声が低くて小さいので近くの席の人しか聞こえないだろう。

もとより人がどこかから去る時、そういう時はしれっといなくなった方がかっこいいのだ。
別れの一言もなしに、思い出話も無しに、甘くて美味しい埼玉のどこぞの工場で作られたあんまぁいあんこの入ったまんじゅうが机の上に置かれている。
大豆の炒った臭いと、それを包む柔らかな皮の優しい臭いだけを残り香にして、人知れず世話になった会社を去っていく。

渋く生きると心に決めた自分の社会人ライフにまさにふさわしいフィナーレだ。

でも明日会社に行ったら、「○○君、おつかれさまぁ〜!!」(パンっ!パン!)なんてシチュエーションを
ちょっとだけだけど
期待している。

とにもかくにも、今いる会社には感謝だ。
愛憎入り混じる気持ちがないでもないが、そこいらでぷらぷらと鼻をほじっていた自分を、派遣社員から契約社員にまでしてくれた。
大きな会社だった。与えられた仕事も大きかった。
そのぶんプレッシャーも大きかったけれど、いろんな人が助けてくれた。
可愛い女の子もいいっぱいいた。好きな子だってできた。
時に怒ってくれて、時に自信もくれた。
朝行かなくても、しょうがねぇやつだなって笑って許してくれた。
優しくしてくれた。
やりきることで、お客さんの笑顔を見せてくれた。
本当に本当に、ほんっと〜に色々な事を教えてくれた。
色々な事を教えてくれすぎて、今はもうあんまり思い出せないけれど
とにかく感謝だ。それに尽きる

はい、センチ締め!!

では!!

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