うっかり星のうっかり星人

エッセイ

自分は仕事中あまり喋らない。
だからだろうか、自分のことを深く知らない人は自分のことを寡黙で、真面目な人間だと思ってくれている。
打ち合わせの際もあまり口を開かず、たまに口を開けばなんとなくそれっぽい事を言うもんだからますます自分の印象は寡黙で、真面目なものになっていく。
もしかしたら相当な切れ者とすら思われているかもしれない。そうだとするとかなりラッキーだ。
「こいつ、あんまり喋らない割にはなんか良い事言ってる感じするな」
「この人、あんまりしゃべらないけれどなかなか切れる頭を持っているわ…」

だが実を言うと自分は相当なうっかりものだ。
ある日うっかり星のうっかり星人が目の前に現れて
「君はうっかり星のうっかり星人の王子だよ」
と言われたら
「やはりか…そろそろ星に帰る頃かな?」
といった具合にうっかり自然に地球を去ることもできるだろう。
そのくらいうっかりものだ

冒頭に述べた自分への印象も、まぁ自分が勝手にそう思っているだけだから実際は他人にどう思われているかは分からない。たしかに切れ者とは思われていないまでも、寡黙で真面目な人間だと思われているだろう。
でも会社であまり喋らないのは単純に仲の良い人があんまりいないからだし、打ち合わせ中に言葉数が少ないのは単純にあまり話を聞いていないのと複数の人の前で話すのが苦手だからだ。

人からどう思われているかは置いておいてとにかく自分はうっかりものである。
それだけは自信を持って言える。
うっかり八兵衛はきっと見た感じうっかりだから、実際にうっかりしていても(うっかり八兵衛がどんなキャラ像かは知らないけれど)
「まったく、本当に八兵衛のやつぁうっかりしてやがらぁ〜。笑っちまうぜぇまったく!」
なんて小粋な江戸っ子の暖かい野次が聞こえてきそうなもんだけれど、いかにもうっかりしていなさそうな人間がうっかりしていると
「おいまじかよ、あいつ真面目ぶってるだけで単なるうっかりやろうじゃねぇか死ねよ。」
という目で見られるから誠に生きづらい。

今日も仕事のある案件で発注書を出し、ふぅ〜、ひと仕事終わったぜとぷかぷかとタバコをくゆらせていたら、発注書を切る案件自体が間違っているという比較的大きなうっかりをしでかしてしまっていた。もちろん上司にしっかりとおしかりをいただいた。
しっかりしていそうでうっかりくらいならまだまだ可愛いものだが、おしかりをいただくと軽くいらつき、かつ悪態をつくというギャル精神がある自分は
「はぁ、すみません」
というなぜか心の底までは反省していないスタイルで応戦してしまう。
自分が悪いのは分かってるけれど、ちょっとした受け答えで人間の底が見えて嫌ですね。

最終的には、ああ、なんであそこであんな子供みたいな態度を取ってしまったんだろうと思う反面、そんくらいでわざわざ怒んないでくれよと思ってしまう。
社会人て何年やってても慣れないもので、ストレスは思わぬところから矢を放ってくる。
自分がもっとちゃんとすれば良いだけのことだけど…

世の中には生まれつき背が小さかったり、太っていたりする人がいて、そのことについて相手を傷つけるのはとても良くない事だとされている。
もちろん自分だってそう思う。
だったらきっと生まれつきしっかりした人もいれば、どうしようもなくうっかりしている人だっていると思うのだ。
だから、そんな人には優しくしてあげても良いじゃないかと思う。注意するのはもちろん必要だけれど、怒るという形だけでなく、他にもやり方があるんじゃないかと思う。

でもまぁ世間ではこれは甘いと言われてしまう。甘くてもいいじゃないかと思うけれど、そうはうまくいかないんですね。
時には自分のやることに対して、常に寛容でいてくれる上司もいる。気のせいかもしれないけれど、自分はその人とやっていた方がのびのびと、割とうっかりも少なくできている気もするのだよなぁ。
地球にうっかり星の大襲撃くればいいのにね。

と、ここまで自分で読み返してもちょっと甘いなと感じてしまう…
自分の正当化の幼稚さがね、なかなかの雑さですね。
でも、まぁね、まぁ、別に良くね?的なね。そんな感じですよ
世に隠れるうっかり星人にもそんなマインドで居てほしい。

トップ画はうっかり星です。けっこうかっこいいですね。
では!

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